妊娠中の鍼灸治療は赤ちゃんへの心地よい応援!

妊娠中の様々なトラブル、赤ちゃんの成長に対して、鍼灸治療は安全で効果的な応援だと思っております。

特につわり、逆子、腰痛に対してはとても効果的だとされております。

妊娠中の母体は、胎児の成長に伴い、ダイナミックに変化していきます。

生理的な変化とはいえ、とても個人差があり、初めての妊娠においてはいろんな不安が伴うものです。

何もしなくても順調なマタニティライフを送れる方もいますが、より快適に過ごせるように「鍼灸」でサポート、応援をしていくと、お産、産後、子育ても順調にいきやすいと思っております。

私たちは快適なマタニティライフを応援、サポートさせて頂きます!

つわり

8割の人がつわりを経験するといわれています。

あくまでも体質や個人差で症状が現れるものですので、つわりがなくても妊娠の経過には関係ないのでご安心ください。

つわりとは、妊娠4週~16週くらいの期間にみられる吐き気や嘔吐、においや食べ物の好き嫌いの変化で、一般的には、妊娠することで大量に分泌される妊娠ホルモン(hCG:ヒト絨毛ゴナドトロピン)が原因とされ、妊娠16週以降でもつわりの続く方がおられます。時には出産までつわりの続く方もいます。

つわりは妊娠初期の特徴的な症状ではありますが大変つらい思いをする方も少なくありません。赤ちゃんを授かった喜びを忘れてしまうほど辛い思いをする方もいらっしゃいます。
残念ながらつわりを治す治療というのは今のところ確立されておりませんが、鍼灸治療はつわりの症状を軽減させることが出来ます。

つわりの種類

つわりと言っても、皆さん同じ症状ではなく、とても個人差があります。主なつわりの症状をご紹介します。

  • 吐きつわり
    典型的なつわりの症状で、食べられなくなり、食べれても吐き気や嘔吐に悩まされます。全く食べられない場合は病院での点滴などが必要な場合もあります。
  • 食べつわり
    お腹がすくと気持ち悪くなるため、常に食べていないといけないようなタイプの方です。食べ過ぎても気持ちが悪くなるので食べる量とタイミングがポイントかもしれません。また体重増加も心配なところです。
  • においつわり
    においに敏感になり、今まで何ともなかったにおいを嫌うようになります。ご飯の炊けるにおいや魚の生臭いにおい、出汁のにおい、洗剤や香水の匂いなど苦手になる方が多いようです。
  • よだれつわり
    よだれが増えて止まらないタイプの方です。よだれが増えるというより、気持ちが悪くよだれをのみ込むことが出来ないのだと思います。しゃべることも苦痛で常によだれを吐き出してないといられない状態になることもあるようです。

逆子

「逆子と言われたんですが治りますか・・・?」

当院ではエコーにて逆子の確認をしています。

 通常妊娠28週くらいから赤ちゃんの頭が下を向いていること(頭位)が正常なのですが、頭が上や横を向いている場合は逆子(骨盤位)と診断されます。

日本における正期産での骨盤位の頻度は3-5%で、妊娠28週未満ではおよそ30%であるとされる

竹田善治,中林正雄:妊娠中の管理と骨盤位矯正法
産科と婦人科
医学書院,72巻,4号:436-43.2005.

医学的にはこのように言われていて、多くは自然に治るとされていますが心配ですよね・・・

「病院では安静にするように言われただけなんだけど治るの!?」

「張り止めの薬を飲んでいれば治るの?」

「逆子体操ってやった方がいいの?」

「治らないと帝王切開になっちゃうの・・・!?」

「なんで逆子になっちゃうの!?」

 いろんな不安を抱いたり、疑問を持たれている方が多い事と思います。

◆何で逆子になるのかというと・・・

 医学的にははっきりした原因はわかってないようです。

しかし逆子になっている方の身体の特徴はというと・・・

・お腹が張る。

・足やお腹が冷えている。

・ストレスが多い。

・赤ちゃんとのコミュニケーション不足。

・赤ちゃんの育ちが良くない。

・甘いもの、冷たい物を食べすぎている。(栄養面での問題)

・羊水が多すぎる。(赤ちゃんに消化器系の病気がある場合もある)

・羊水が少なすぎる。

・臍帯を首に巻いている。

・前置胎盤など胎盤の位置が良くない。

などがあげられますが、絶対的な条件ではないので、もしかしたらこういった事が影響しているかもしれない、程度にお考え下さい。

◆逆子でいると何が問題かというと・・・

・お腹が張りやすくなり、赤ちゃんの居心地が良くない場合がある。

・通常、逆子のままだと帝王切開による出産になる。

などですが、やはり最大の問題は自然分娩が出来ないという事です。

一般的には一度帝王切開をすると、その後のお産も子宮破裂などのリスクがあるという事で帝王切開でのお産なってしまいます。

もちろん帝王切開でも納得して、安心したお産で、元気に生まれてきてくれれば安産と言えると思います。

私たちは、できれば自然な、安心したお産をして頂きたいと願います。

その為にいい妊娠生活を送り、逆子も治せるうちに治してお産に望んでほしいと思っております。

その為に一番大事なことはできる限り不安感を捨て、赤ちゃんと自分自身を信じてあげる事だと思っております。

◆どうしたら逆子は治るの・・・?

 何もしなくても治る人もいますが33週くらいまでに治らないと徐々に治り難くなります。

逆子に効果的だと言われている治療には鍼灸治療をはじめいくつかあります。

・病院で処方される張り止めの薬(ウテメリンなど)

 ・・・逆子の治療というよりは子宮の収縮を抑える目的で処方されます。副作用は比較的少ないようですが動悸や吐き気を訴える方もいるようです。また長期間、大量に飲んでいることで陣痛が始まり難くなる方もいるようです。鍼灸治療により薬の量を軽減させることが出来るのではないかと思っていますが今のところデータが取れてないのであくまでも仮説ということで…(^_^;)

・医師の行う外回転術

 ・・・医師が手でお腹を触りながら赤ちゃんを正常な位置に治す治療です。早期胎盤剥離などのリスクがあるということで敬遠されてきておりましたが、最近はリスクの少ない患者さんに対して外回転術が行われることが増えてきているようです。

・逆子体操

 ・・・一般的には「胸膝位」という方法を病院では指導してくれるでしょう。四つん這いで、頭と肩をなるべく下げて、お尻を上に突き出したポーズをとります。5~10分ほどして、右か左か、お腹の赤ちゃんの背中側を上にして、横になり寝ます。しかし最近は医学的根拠が乏しいため指導しない病院が増えているそうです。

 あとはマタニティーヨガなどで指導される方法としては、仰向けに寝て膝を立て、お尻の下に座布団を二つ折りにした(15~20cmくらいの高さ)ものを入れ骨盤を高い位置に保ち10分位ゆっくりと休みます(ブリッジ法)。
またこの状態で足を延ばし壁に足を立てかけて休んでも良いかと思います。
その他四つん這いで歩いたり、ぞうきん掛けなんかも有効だと言われています。

逆子治療に必須!エコー検査!

当院では超音波検査装置(エコー検査)にて毎回胎児の向きを確認します。

初診時にすでに逆子が治っている方は1~2割くらいいらっしゃいます。
当院に限らず病院でも鍼灸院でも来院時に一定数は逆子が治っているということは常識となっております。

もしエコーのない鍼灸院で触診のみで「逆子が治っているので今日は治療の必要はありません」という判断ができる鍼灸師がいたらすごいですよね!

しかし触診のみで毎回必ず治療をしているということですと、1~2割の方は逆子でないのに逆子の治療をしているということになるかもしれません。

一応エコーがあるかお問い合わせした方がいいかもしれませんね(^^;)

当院においては、ご来院時に逆子でなかった場合は、他に特に問題なさそうならセルフケアの指導のみでお帰り頂くこともあります。

逆子に対する鍼灸治療

逆子に対する鍼灸治療の効果は数多く報告されております。

20症例中16例改善 80.00%

石野信安:異常胎位に対する三陰交施灸の影響日本東洋医学会誌,1(3):7,1952.

584症例中525例改善 89.90%

林田和郎:東洋医学的方法による胎位矯正法
東邦医学会雑誌,34(2):196-206,1987.

また、海外でも1998年にJAMA(米国の医学雑誌)で『逆子(骨盤位)矯正のための灸療法:ランダム化比較試験(RCT)』お灸群130例中逆子が98例改善,無処置のお灸なし群130例中逆子改善62例とお灸の有効性が示唆された論文が発表。

Cardini F,et al.:Moxibustion for correction of breech presentation:a rabdomized controlled traial.
JAMA,280(18):1580-1584,1998.

28週から32週くらいまでが改善率が良いとされており、33週以降は動くスペースが狭くなるため徐々に改善率が悪くなっていきます。

逆子の治療は早いほど改善率が良いので「治らなかったら鍼灸治療をやってみようかな…」と考えず、逆子といわれたら出来るだけ早く治療をした方が良いでしょう。

なぜ鍼灸をすると逆子が治るのかというと、
・胎動が増す。赤ちゃんの動く力が増す。
・お腹の張りが軽減する。
・お腹の冷えが改善する。
・・・などと言われております。

鍼灸のツボへの刺激が自律神経を介して、子宮動脈、臍帯動脈の血流を高めているようです。

逆子の鍼灸治療は主に足のツボを使います。

代表的なのが三陰交至陰というツボ。

三陰交に灸頭鍼や棒灸などで鍼と共に温めます。

至陰という足の小指の先のツボにお灸をします。

その他、お腹へも軽く散鍼をしたり、全身の状態を整えるような治療をします。

もちろん腰痛や股関節痛、肩こり、便秘、浮腫みなどあれば合わせて治療させて頂きます。

何もせずに「自然に任せる」というのもありかと思います。

しかし「あの時できることをやってあげればよかった…」という後悔はしたくないですよね(^^;)

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