東洋医学の学び方②陰陽太極
「鬼滅の刃」の作者が女性だという事を知らなかった院長の熊谷です。
しかも話の初期の頃はかなり精神的に病んでいたようですが、後半は結婚してそれなりに安定したことで話に面白みがなくなったという噂も…。
精神的に病んでいたからこそ生まれた作品だと思うと世の中はムダな事なんてないのかもしれませんね。
肉体も精神も病まないと分からないことってあると思います。
肉体を病むことで自分の精神に気づく。
その気づきが肉体を癒していく。
起きた出来事を未来にどう生かしていくか…とても大事な事だと思います。
「いつもハッピー!」でなければいけないと思いこまされている人も多いかもしれませんが、実は辛いことがあるから幸せを感じることが出来るようになっているのです。
世の中は「陰陽太極」(いんようたいきょく)で成り立っており、自然界も身体もこの「陰陽太極」の原則は外せないので今回ご説明させて頂きます。
今回も東洋医学について学んでいきたいと思います。
陰とか陽ってなんとなく聞いたことがあるかと思います。
陽は日が当たるところで陰は影になるところっていうイメージでしょうか。
陽は明るい、陰は暗いとか。
わかりやすいところで言うとそういう見方もありますが、実は世の中のすべてのモノ、事柄、出来事などは陰と陽で成り立っていると考えます。
決して陰が悪くて陽が良いという事ではありません。
そこで何が陰で何が陽なのか定義が難しいところがありますが、一つの考えとして「陽とは五感で感じやすいもの。陰とは陽に比べて感じにくいもの」と定義されております。
すべてにおいて陰陽の両面を観ないとうまくいかないと言われています。
一般的には陽は感じやすいので認識されやすいですが、陰は忘れられがち…。
陰陽両方を観たうえで適切な答え、中庸(ちゅうよう)を見つけていくことが円満に暮らしていくための秘訣だと説いています。
そこで太極(たいきょく)という言葉が出てきます。
聞いたことがあるでしょうか?
これは陰陽が交わり、広がり、成長している状態をいいます。
図で現されたのが太極図↓。
くま鍼灸院のロゴにも使われている勾玉を合わせたような図。
陰の中にも陽があり陽の中にも陰がある。
これが循環して回っていることが理想的な太極という状態になります。
また対極(たいきょく)という状態は陰陽が対立してそれぞれが分離し、固まったり、成長してない状態を言います。
それからこちらの退極(たいきょく)は、陰陽が交わっているものの縮小(充電)している状態のことを言います。
短期的には退極が必要な場合もあるようです。
同じ「たいきょく」でも意味が違う…日本語って難しいけど面白いですね!
また瑜伽(ゆが)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ヨガの語源と言われている仏教用語だと言われています。
意味としては相反する2つのものが融合、統合、調和、安定して存在する事を言います。
ちょっと難しいでしょうか…(^^;)東洋ではこれを普通の事と考えます。
ヨガは心と体を調和させることを言うので瑜伽がヨガになったと言われています。
東洋医学で最も大事にしている基礎のところが「太極瑜伽」であり、もう一つが前回お伝えした「陰主陽従(いんしゅようじゅう)」になります。
(陰が主で陽がそれに従う。すべて陰が基である)
この2つは世の中全てのものの基礎になる絶対的な原理であると多くの方々が説いておられます。
身体に限らず、天候や自然の成り立ち、人間関係、組織の仕組み、物を作ることなどすべてに当てはまります。
西洋的な考えを無意識のうちに植え付けられている日本人からすると理解しにくいところがありますよね。
人間の脳はそれまで信じてきた事や習慣となっている思考を変えたくなという本能があるようなので。
1つの物・事が存在するには相対する(真逆)物事の存在が必要という事になります。夜があるから昼が存在する。
女がいるから男が存在する。
悲しいことがあるからうれしいことを感じることが出来る。
辛いことがあるから楽しいことを感じることが出来る。
「いつも楽しくハッピーに!」が最高!なんていう事は実は幻想でそういう人ほど普通の事を最悪って感じてストレスを強く感じてしまうんです。
また人間関係においても自分の価値観と違う相手に対して「そういう考えもあるんだ」って受け入れて交わること(太極)が出来るのか、「私の価値観と違うから嫌!」って対立する(対極)のか、どちらがストレスが軽く、円満に過ごせるか?ストレスに対してうまく適応していくための大事な要素が含まれています。
また太極図の陰の中に陽があり陽の中に陰があるのは「相手を受け入れる意思(仕組み)がある」という大事な意味が含まれています。
「太極瑜伽」「陰主陽従」はカラダの調子が良くなり、人生をより生きやすくするための大事な考えなんです。