正しさとは・・・
さて皆さん「正しさ」って何なんでしょうね?
学校では正しいことを教えていることになっていますが本当に正しいことばかりなのか…?
テレビや新聞での情報、インターネットでの情報・・・毎日が情報であふれかえっています。
特に健康、医療のことに関しては、皆さんも目にすることが多いと思いますが何が本当に正しいのか迷ってしまいますよね(^^;)
私も正直わからなくなることが多々あります(笑)
というのも物事を深く知れば知るほど、簡単に「これは正しい」、「これは間違っている」とは言えないことも結構あるのです。
例えば昔は胃の中は強い胃酸で微生物が住めないといわれている時代がありましたが、1982年にピロリ菌が発見され、今ではピロリ菌は胃炎、胃癌のリスクになるので除菌したほうがいいという考えが主流になってきております。
確かにピロリ菌を除菌すると胃癌になるリスクが3分の1に減少し、胃がんの発症を低下させることは確かなようです。
しかしピロリ菌を除菌すると胃酸の分泌が高まることで逆流性食道炎や食道がんのリスクが高まったり、強い抗生剤の影響で腸内環境が悪くなり大腸がんのリスクが高まるということを指摘する医師も出てきました。
またインフルエンザワクチンは本当に受けた方がいいのか?
賛否が分かれるところがありますよね。
実際にインフルエンザの予防接種をすると、しない人に比べ発症率が低下するという疫学的な報告はあります。
しかし予防接種をしても発症する人もいるし、毎年インフルエンザは流行し減る気配はない。最近のアメリカの論文では、インフルエンザ予防接種をした人の呼気から6倍ものインフルエンザウィルスが排出されておりインフルエンザの流行はインフルエンザ予防接種が原因ではないかという報告もありました。
また風邪をひいたらしっかり栄養をとって休んだ方がいいという考えの人もいれば、胃腸を休めるために出来るだけ食べない方がいいという考えの人もいる。
腰痛は安静にした方がいいという医者もいれば、動けるのであれば出来るだけ動いた方がいいというガイドラインを出している国もあります。
また椎間板ヘルニアは5~6割の人にあり、症状のない人も多いという事実も。
そもそも国によって腰痛のガイドラインの内容が違い時には真逆のことが書かれている場合もあります。
また赤ちゃんに母乳をあげることは将来の免疫的、心理的な観点などからとても重要であると考えられてきましたが、今年日本の厚生労働省は「母乳にアレルギー予防効果はない」といった誤解を招くようなガイドラインを出されました。
実際は完全母乳と人工ミルクの併用で小児期のアレルギーの発症に差がなかったという報告があったというだけなんですが、受け止め方によっては「母乳である必要はない」とも受け取られてしまいますよね。
「完全母乳でないとダメ」といった極端な考えも危険ですが、何事もしっかりと本質を理解したうえで判断していかないといけませんよね。
現代社会は多くの情報により本当に何が正しいのか、よくわからなくなってしまうことがたくさんあると思います。
「正しさ」はその人による考え方でも変わってくるかもしれません。
科学的な根拠に基づく最新の情報はとても重要ではありますが、医療における「科学的根拠に基づく医療(エビデンス)」が当てはまるのは3割程度と考える医者がいるのも事実です。
人間の身体というのは様々な要因が関係しているので何か一つの考えだけを妄信してしまうと大事なものが見えなくなってしまうこともあります。
西洋医学というのはある臓器や局所を細分化することにはとても優れていますが、各臓器のつながりや身体のバランスなど全体像を診るという点においては東洋医学的な考えも重要ではないかと思います。
物事における「正しさ」はいろんな観点からみるとまた違う見方が出来るかもしれません。
生命が誕生してから38億年という歴史を遡り、自分にとって何が大事なのか理解することで、情報だけに流されない「自分にとっての正しさ」を見つけることが出来るかもしれませんね。