妊婦さんの体重管理

コロナ禍の今。

マタニティ講座開催ができないことも多く、妊娠中~ご出産~入院を、女性お一人で過ごす機会が増えました。

医療機関スタッフも関わるものの、同じ立場の妊婦友達をつくる、世間話的な何気ない話を気楽にする・・・ということが難しくなっているようです。

この何気ないことが“こころの栄養”になるので、何かの機会に得られたら・・・と願います。

当院でも、妊娠に向けたご相談~妊娠中のつわり・腰痛・股関節・坐骨神経痛・逆子・手根管症候群(手首のむくみ・動かしずらさ、痛み)・不眠などの不定愁訴、産後の体のメンテナンス(1カ月健診前でも受け入れ可)、骨盤ケアなどを【託児つき】で、お受けしています。

助産師相談もあります。

授乳(母乳分泌不足感・分泌過多、ミルク)離乳食、発育・発達、家庭のことなど、 どんなことでもお話お聴きします。

宮澤助産師勤務日:基本火・木・土曜日ですが、地域の子育て支援センターでのつどいの広場、小・中学校へのいのち・体・こころ・性教育に出ていることもありますので、もし、助産師相談ご希望の方はお手数おかけしますが、予約時、その旨お声かけください。

当院の「くま先生」こと院長、「とらちゃん」こと飯塚先生、事務や託児担当の「由美さん」こと院長の奥さんも、皆さんとお話することを楽しみにしています。

気楽に、お声かけくださいね~(*^▽^*)               

今日は、妊婦さんの体重管理についてのお話をします。

従来「小さく産んで大きく育てる」「10㎏以上太ってはいけない」ということを勧める風潮が

ありました。

しかし、ダイエット志向(やせていることが美しい)を好む女性が多い傾向があること、また低出生体重児の割合が増加していることから、妊婦さんの適度な体重増加も必要と見直されてきました。

低出生体重児:出生時の体重が2500g未満の赤ちゃん

【医学仮説】バーカー説(1980年代後半から90年代に出生時の体重とその後の高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、肥満の発症が相関するという疫学調査論文をイギリスのデビィット・バーカー博士が発表した)

現在、バーカー仮説は、【DOHaD説】Developmental Origins of Health and Disease:

【健康と病気の発生起源説:胎児期や生後直後の健康・栄養状態が成人になってからの健康に影

響を及ぼす】という考え方。

推論:胎児期の低栄養→
   中枢神経系の発達に栄養が優先的に消費される→
   末梢の腎臓や膵臓などの臓器の器官形成に消費される栄養不足→
   ◎腎臓のネフロン数減少により高血圧・腎臓病のリスク上昇
   ◎膵臓のベータ細胞の容量減少により2型糖尿病のリスク上昇

生理的に体重が増える要因

赤ちゃん:2,5~3㎏ 胎盤:約0,5㎏ 羊水:約0,5㎏

子宮・乳房・赤ちゃんを育てていくために体に蓄えられる脂肪・血液などの増加:3~4㎏

7~8 の体重増加はあります。

妊娠する前の個々の身体状況が違いますので、【自分に合った】目安を知ることが大切です。

適切な体重増加目安を知るものにBMIを活用する方法があります。

体重増加の目安】 

BMI(体格指数):妊娠前の体重【   】㎏ ÷ (身長【   】m × 身長【   】m)

 B M I妊娠全体を通じての推奨体重増加1週間あたりの推奨体重増加
18,5未満9 ~ 12 ㎏0.3~0.5㎏/週
18,5~25,0未満7 ~ 12 ㎏0.3~0.5㎏/週
25,0以上個  別  対  応個  別  対  応

妊娠中は赤ちゃんに栄養を与えるため、また分娩に必要なエネルギーを蓄えるため、そして授乳の準備のために、脂肪が蓄積しやすい体質になります。

さらに、つわりが落ち着くと食欲が旺盛になり、丸みを帯びた体型になっていくのは自然なことです。

しかし、妊婦さんのお話をお聞きしていると、適度に体重増やさなきゃ!・・・というよりは、体重増え過ぎ注意~~~!食べ過ぎ注意~!を、心配される方が多いように思います。

太りたくない!乙女心も大切にしながらでいいので、赤ちゃんがお腹で育つためには、必要な体重増加もある、とご理解くださいね。

体重管理のコツ

◇毎日決まった時間に体重を計る

体重は1日の中でも変動するので、毎日決まった時間、決まった条件で計測するようにしましょう。朝起きてトイレに行った後など、朝食前に体重計に乗ってみてください。

毎日体重を測っているだけでも、自然と体重管理の意識を持てるようになります。

◇朝・昼・晩バランスのよい食事を摂る

昔は「妊娠中は赤ちゃんの分も2人分の食事を食べる」といわれていましたが、現代の食事の栄養を考慮すれば、無理に食事量を増やす必要はありません。

妊婦さんにとって大切なのは量よりも栄養バランスです。朝、昼、晩、バランスのよい食事を摂るように気を付けましょう。 毎日、完璧な栄養バランス!!・・・と意気込まなくても、3日~1週間ぐらいで、「食べすぎ」「食べなさすぎ」を調整するペースでOKです。

~食事バランスが取れる食材選び~ 【まごはやさしい】

◇野菜ファーストの食べ方

食べ始めの最初の5分かけて、よくかんで野菜を食べる。

血糖値の急上昇、早食いによるドカ食いを予防できます。

◇適度に体を動かす。

体調がいいとき、時間に余裕があるときに、できるペースで、ストレッチやウオーキングを行う。

窓ふき、雑巾がけなど、家事でしっかり体を動かすのも、家がピカピカになって気分もスッキリ♪でおすすめです。

妊娠中は「あれはしなさい」「これもした方がいい」・・・だけど「あれはダメ」「これはダメ」・・・。

気をつけた方がいいことや、心配事が増えつつ、きちんとしなければいけないプレッシャーも出てきます。

あ゛~~~!!モンモンする~~~!・・・となりそうな時は、食べたいものを食べたい時に食べて、その後に野菜メインの食事にしたり、運動を取り入れてみてくださいね。

何事も、適度に~~(*^▽^*)です。

できるペースで、できることを~と、願います。

お腹の赤ちゃんも、妊婦さんも、ご家族も、

体も気持ちもほっこりして、過ごせますように?